浄土真宗本願寺派 託念寺のホームページ

浄土真宗本願寺派 託念寺

第49号 平成21年1月1日発行 [ 平成21年1月4日 ]

今月の法語 法語カレンダーより

光明てらしてほがらかに いたらぬところはさらになし


あけましておめでとうございます

第49号 平成21年1月1日発行  子どもの頃、「もういくつ寝るとお正月」と歌ったように特別な日を特別な思いで待ちました。青年期になっても、年を越す日をどことなく神妙な面持ちで迎え、日記を取り出して今年こそはと志しを書き綴った記憶があります。それが近頃は日常の連続の中で仕事をこなすような過ごし方をしてきたように思えてもったいない気がいたします。元日を特別な一日と意識する生き方が、日々その日を大事にする過ごし方につながるのではないかと思うのです。
 「一年の計は元旦にあり。」特別な日にどんな1年を送ろうとするのかをしっかり考えてみませんか。


しんじんのうた勉強会

第49号 平成21年1月1日発行  森田真円著「ひらがな真宗」を2年半をかけて読み終わりました。150ページの本です。文章も平易に書かれていて読もうとすれば1日でも読める本です。それを毎回4〜5ページずつ読んで話し合いました。恵以真会の勉強会ですからお仕事を終えて夜8時から9時までの1時間、お疲れのところをよくぞ参加してくださいました。浄土真宗について譬喩(ひゆ)や例え話をもとにわかりやすく解説してあるハズでした。それが毎回参加者から「浄土真宗は難しい教えですね」とつぶやきが漏らされるのです。その一方で「浄土真宗に出遇わなかったらこんなことを考えたりしないよね」という感想も出されました。
 2500年伝え続けられた仏法には智慧が凝縮されているのです。「人身(にんじん)受けがたし、今すでに受く。仏法聞きがたし、今すでに聞く」(礼讃文(らいさんもん))ということばが思い浮かびます。ひととして生まれた不思議に喜びを感じる人は多いと思いますが、仏法が聞ける環境をもらっていることに喜びを感じることは意外と少ないかも知れません。人としていのちをいただいたときしか仏法は聞けません。一回切りのチャンスです。年明けからまた新しい教材を決めて仏法を聞きたいと思います。


感話 癒しロボット考

第49号 平成21年1月1日発行  ひとに癒(いや)しを与えるネコ形ロボットが出現したとテレビで報じていました。話しかけるとそれなりに答える様子を実演して見せてくれました。一人暮らしの高齢者向けに開発されたのでしょうか。実際に使ってもいないので無責任なコメントはできませんが、なにか寂しい気持ちがしました。限りあるいのち、予測のつかないいのち、自分の思い通りに行かないいのちと触れ合ってこそ「係わるよろこび」を感じるのではないでしょうか。
 我が家には雌の本物のネコがいます。8歳、名前を「とらこ」といいます。私たちはとても可愛がっていて、「とらこ」「とらこ」と一日に何度も話しかけます。ネコがどれほどひとのことばを理解できるかは定かではありませんが、きっと自分が大事にされているということは感じとっていると思います。人の子は育つ過程でけがをしたり、病気になったりします。その都度親は心配になりますが、その心配の度合いが大きいほど、感じられる愛情は深みを増すように思います。これはとらこにもあてはまります。
 とらこがある晩外に出たがったので出してやりました。いつもはほどなく帰ってくるのですが、その日は小雨が降っていたにもかかわらずいっこうに帰ってきません。心配でこちらも寝ることができません。しばらくしてか細く泣く声がして戻ってきました。しかしその姿にドキッとしました。お腹に何か大きなものをつけて引きずってきたのです。見るとなんとゴキブリ捕り(それともネズミ捕り?)の粘着シートでした。三角形の家の形をしていてゴキブリがそこにはいると強力な粘着剤に足がくっつき、どんなにもがいてもはずれない仕掛けになっているものです。そんな目的のちょっと大型の粘着シートがとらこのお腹にべったりくっついていたのです。どこでそんなものをつけてきたのでしょうか?他人(よそ)様のお家か作業小屋に入り込んでそんなことになったのでしょう(ゴメンナサイ)。よくぞ帰ってきたものです。でもその姿は痛々しいものでした。私は連れ合いと必死になってまずそのシートをはがそうとしましたが、手で無理矢理引っ張れば毛がそのままごそっと脱けてしまいそうです。とらこは切なく泣いて抵抗しますが、泣きたいのはこちらの方でした。試行錯誤の後、私が愛用している鼻毛ばさみを持ってきて毛の一部を切りながらはがしていきました。そして普段は決してしないシャンプーで洗ってやりました。それでも至る所に粘着剤が毛について何とも哀れなかっこうになりました。こんなことがあるととらこの外出癖を嘆くのですが、とらこからすればこんな時こそきっと、親身になって自分の痛みを取り除いてやろうとする私たちの優しさを心から感じとっていることでしょう。
 いのちあるもの同士の係わりは互いに心が往き来しています。
 こんな熱い記事を書かれても、我が家のとらこはいつものように、居心地のいいところを求めて寝そべっております。仕合わせなネコであります。合掌


年始総会法話 新年に寄せて 

第49号 平成21年1月1日発行 大乗1月号に 「子どもたちに届け!仏教の心、いのちの尊さ」という記事が載っていました。外松太恵子さんと大平光代さんの新春対談です。
 私も保育園の活動を通して仏教の心を子供たちに伝えたいと思っています。12月に保育園で出会った出来事です。
1)0歳1歳クラスのお昼ご飯時に子どもたちの様子をのぞきました。先生方は自分の食事をゆっくりと味わう余裕もなく子ども達の世話をしています。そんな折6ヶ月のNちゃんがベビーベッドの上で泣きました。A先生が自分のそばに引き寄せましたが、泣きやみません。そこでおんぶひもでおんぶをしてくれました。Nちゃんはぴたっと泣きやみました。「子ども達はおんぶがいいんですね」と私。A先生は「背中がいくつもほしいです」と。この日は日頃は滅多に泣かない身体の大きなKちゃんがめそめそしておんぶされていました。温もりの背中なのです。

2)誕生会の場面です。B先生の演しものは子ども達を喜ばせました。いつも一生懸命演じてくださる先生方に頭が下がるのですが、この日の演しものではお菓子や果物の中から動物の風船が出現する場面が何回かありました。そのとき幼児組は歓声を上げて動物の名前を言いますが、1歳児の子ども達は私や見ていた先生に指さしをして「すごい」「みて!」と伝えていました。こんな場面が私は大好きです。1歳の子ども達までも自分の喜びを他者と共有しようとするのです。喜びを分かち合うのです。

私は、子どもが笑顔で登園してくることを願って出勤する保育士さんが誇りです
 同じように、地域の方々が笑顔でお参りしてくださることをいつも願いたい
 宗教を前面に出さなくとも 浄土真宗のみ教えをやさしく伝えていきたい


修正会

第49号 平成21年1月1日発行 大晦日の午後11時45分。除夜の鐘が撞き始まります。
御堂では午前12時にお正信偈のお勤めが始まります。
今年も大勢の方々にお参りいただきました。


イメージ:ボタン

浄土真宗本願寺派 託念寺
〒940-1147 新潟県長岡市前島町211
TEL/FAX.0258-22-2998
E-mail.maeho44@crocus.ocn.ne.jp